育児休業給付金は、原則として
育児休業開始から180日目までは休業開始時賃金の67%、
**181日目以降は50%**が支給されます。
さらに一定の条件を満たす場合は、出生後休業支援給付金が上乗せされ、対象期間について合計80%相当になる場合があります。
例えば、育休開始前の賃金月額が30万円の場合、
- 最初の180日:月約20.1万円
- 181日目以降:月約15万円
- 出生後休業支援給付金の対象期間:追加給付あり
※実際の支給額は賃金額・支給上限額・休業中の賃金などによって異なります。
育児休業給付金
育児休業給付金とは?
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が子どもを養育するために育児休業を取得した場合に、一定の条件を満たすことで受け取れる給付です。
目的は、
育児休業中の収入を補うこと
です。
出産育児一時金や出産手当金とは別の制度です。
| 制度 | 主な目的 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 出産育児一時金 | 出産費用の負担を軽減 | 公的医療保険の加入者 |
| 出産手当金 | 産休中の収入を補う | 健康保険の被保険者本人 |
| 育児休業給付金 | 育休中の収入を補う | 雇用保険の被保険者 |
出産
↓
出産育児一時金
↓
産休
↓
出産手当金
↓
育児休業
↓
育児休業給付金
育児休業給付金の対象になる人
主なポイントは、
- 雇用保険の被保険者である
- 子どもを養育するために育児休業を取得する
- 育児休業開始前の一定期間について、雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす
- 育児休業中の就業日数・時間などの条件を満たす
- 育児休業期間中の賃金が一定水準未満である
などです。
細かな要件は雇用形態や休業の取り方によって異なるため、
「会社員なら全員自動的にもらえる」とは考えず、勤務先またはハローワークに確認する
このことを意識しておいてください。
パート・アルバイトでも育児休業給付金をもらえる?
雇用形態だけで対象外になるとは限りません。
雇用保険の被保険者であり、育児休業給付の要件を満たしていれば対象になる可能性があります。
「パートだからもらえない」と自己判断せず、雇用保険への加入状況を確認しましょう。
育児休業給付金はいくら?
基本的な支給率は、
育児休業開始から180日目まで
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
181日目以降
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
です。
原則として、1つの支給単位期間は30日として計算されます。
育児休業給付金は「手取りの67%」ではない。
計算の基礎となるのは、
休業開始時賃金日額
です。
原則として、育児休業開始前6か月間の総支給額を180で割って算出します。
賞与は算定対象から除かれます。
したがって、
手取り給与 × 67%
ではありません。
月給別の支給額の目安
育児休業期間中に対象となる賃金の支払いがない場合の目安として、厚生労働省は次の例を示しています。
| 育休開始前の賃金月額 | 67% | 50% |
|---|---|---|
| 15万円 | 約10.1万円 | 約7.5万円 |
| 20万円 | 約13.4万円 | 約10万円 |
| 25万円 | 約16.8万円 | 約12.5万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約15万円 |
| 35万円 | 約23.5万円 | 約17.5万円 |
| 40万円 | 約26.8万円 | 約20万円 |
| 45万円 | 約30.2万円 | 約22.5万円 |
| 50万円 | 約33.5万円 | 約25万円 |
※実際の支給額には上限・下限があり、個々の賃金状況によって異なります。
出生後休業支援給付金
2025年4月から「出生後休業支援給付金」が始まりました
一定の条件を満たす場合、
育児休業給付金 67%
に加えて、
出生後休業支援給付金 13%
が支給されます。
合計すると、
80%相当
になります。
どんな場合に出生後休業支援給付金がもらえる?
厚生労働省によると、主な要件として、
同じ子について、育児休業等を対象期間に通算14日以上取得すること
などがあります。
さらに、原則として配偶者も一定期間に14日以上育児休業を取得することなどの条件があります。
ただし、配偶者が育児休業を要件としないケースもあります。
「夫婦ともに育休を取得する場合に利用できる可能性がある給付」
「80%」=手取りの80%ではありません
「80%」=手取りの80%ではありません
これは誤解されやすいポイント。
給付率80%というのは、
休業開始前の賃金を基準とした給付率
です。
月給30万円の場合
例えば、
月給30万円を基準とした場合、育児休業給付金67%は約20.1万円。
出生後休業支援給付金13%が対象となる期間では、合計で約24万円相当となります。
ただし、実際の支給額には支給上限額などがあるため、すべての人が単純に「月給×80%」を受け取れるわけではありません。
「普段の手取り給与の80%がそのまま振り込まれる」
ということではない。
| 育児休業給付金 | 出生後休業支援給付金 |
| 支給率 | 67%→50% | 13% |
| 主な期間 | 育児休業中 | 出生直後の一定期間 |
| 条件 | 育児休業給付の要件 | さらに一定の要件 |
| 目的 | 育休中の収入を補う | 出生直後の育休取得を支援 |
育児休業を使える期間は?
育児休業給付金はいつまで?
原則として、
子どもが1歳になる日の前日まで
が基本です。
ただし、一定の要件を満たす場合は、
1歳6か月
さらに、
2歳
まで育児休業給付の対象期間を延長できる場合があります。
保育所に入れない場合は延長できる?
一定の条件を満たす場合、育児休業給付金の支給対象期間を延長できる場合があります。
重要なのは、
「保育所に入れなかった=自動的に延長」ではない
ということ。
2025年4月から、保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業・給付の延長手続きが変更されています。
延長を希望する場合は、期限までに必要な手続きを行う必要があります。早めに勤務先とハローワークへ確認しましょう。
育児休業給付金の申請先は?
申請先は、
事業所の所在地を管轄するハローワーク
です。
ただし、実際の申請手続きは勤務先が本人に代わって行うケースもあります。
そのため、
まず会社の人事・総務担当者に確認しましょう。
育児休業給付金の申請の流れ
① 会社に育休取得を申し出る
↓
② 育児休業開始
↓
③ 会社が必要書類を準備
↓
④ ハローワークへ申請
↓
⑤ 支給決定
↓
⑥ 指定口座へ振込
自分で申請するの?
育児休業給付金の申請は、勤務先が本人に代わって手続きするケースが一般的です。ただし、本人が申請することもできます。
いつ申請する?
育児休業給付金は、支給単位期間ごとに申請します。
初回申請については、
育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日まで
が申請期限の目安となります。
2回目以降は原則として2か月に一度、ハローワークが指定する支給申請期間内に申請します。
※実際の申請期限は勤務先やハローワークから案内される申請期間を必ず確認する。
育児休業給付金はいつ振り込まれる?
育児休業給付金は、育休を開始した直後にすぐ振り込まれるわけではありません。
初回申請には申請期限があり、支給決定後に指定口座へ振り込まれます。
実際の振込時期は申請時期やハローワークの処理状況などによって異なるため、勤務先に確認しましょう。
育休中は会社から給料がもらえる?
| お金 | 支給元 |
|---|---|
| 給料 | 会社 |
| 育児休業給付金 | 雇用保険 |
| 出生後休業支援給付金 | 雇用保険 |
| 出産手当金 | 健康保険 |
育児休業中に仕事をしたらどうなる?
育児休業給付金には就業に関する条件があります。
支給単位期間において、
就業日数が10日以下
であることが基本です。
10日を超える場合でも、就業時間が80時間以下であれば要件を満たす場合があります。
また、育休期間中に賃金が支払われる場合、その金額によって給付が減額されたり、支給されなくなったりする場合があります。
休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われた場合、育児休業給付金は支給されません。
育児休業中に会社から給与が出た場合
育児休業期間中に会社から賃金が支払われる場合、
育児休業給付金が減額される可能性があります。
支払われた賃金が一定水準以上になると、支給額が0円になる場合もあります。
育休中に給与・手当・賞与などが支払われる場合は、勤務先に給付への影響を確認しましょう。
育休中の社会保険料はどうなる?
育児休業を取得した場合、一定の要件を満たすことで、
健康保険料・厚生年金保険料が免除
される制度があります。
これは育児休業給付金そのものとは別の制度。
育休中は「給付金」だけでなく、社会保険料の免除についても確認しましょう。
男性も育児休業給付金をもらえる?
答えはずばり「YES」。
男性も育児休業を取得し、雇用保険などの要件を満たせば育児休業給付の対象になります。
さらに、出生後休業支援給付金は、出生直後に父親が育児休業を取得するケースとも関係する重要な制度です。
出産手当金との切り替わり
基本的には、
妊娠
↓
産前休業
↓
出産
↓
産後休業
↓
育児休業
という流れ。
そして、
妊娠
↓
妊婦健診の助成
↓
出産
↓
出産育児一時金
↓
産休
↓
出産手当金
↓
育児休業
↓
育児休業給付金
↓
出生後休業支援給付金
となります。
ただし、出産手当金の対象期間や育児休業開始日は個々のケースによって異なるため、具体的な日付は勤務先・健康保険に確認してください。
出産前に確認するチェックリスト
育休を取る前に確認しておきたいこと
よくある質問
Q1. 育児休業給付金は何%もらえますか?
A.
原則として、
育児休業開始から180日目まで67%
181日目以降50%
です。
Q2. 80%もらえる制度があるのですか?
A.
一定の条件を満たす場合、「出生後休業支援給付金」が13%上乗せされ、育児休業給付と合わせて80%相当になる場合があります。
Q3. パートでも対象になりますか?
A.
雇用保険の被保険者で、その他の支給要件を満たしていれば対象になる可能性があります。
Q4. 夫も育児休業給付金をもらえますか?
A.
男性も、雇用保険などの要件を満たして育児休業を取得すれば対象になります。
Q5. 育休中にアルバイトできますか?
A.
就業日数・時間や賃金の状況によって、育児休業給付金が減額または不支給になる場合があります。事前に勤務先やハローワークへ確認しましょう。
Q6. 子どもが1歳になったら必ず終了しますか?
A.
原則は1歳になる日の前日までですが、一定の要件を満たす場合、1歳6か月または2歳まで延長できる場合があります。
Q7. 保育園に入れなかった場合は?
A.
一定の条件を満たせば、育児休業給付金の支給対象期間を延長できる場合があります。
2025年4月から延長手続きの要件・必要書類が変更されているため、早めに確認することが重要です。
まとめ
育児休業給付金は、育児のために仕事を休む方の収入を支える雇用保険の制度です。
原則として、育児休業開始から180日目までは67%、181日目以降は50%が支給されます。
また、一定の条件を満たす場合は、出生後休業支援給付金が上乗せされ、育児休業給付と合わせて80%相当になる場合があります。
ただし、実際の支給額や対象期間は、雇用保険の加入状況、休業期間、育休中の就業や賃金などによって変わります。
育児休業を予定している方は、出産前から勤務先に、
「育児休業給付金の対象になるか」
「いくらくらい受け取れるか」
「いつ、どのように申請するか」
を確認しておきましょう。
厚生労働省は2026年8月1日から育児休業等給付の申請手続きを見直しているため、古いブログやSNSの情報だけで判断しないよう注意を促す。
このページは、育児休業給付金の制度を分かりやすく紹介することを目的としています。
支給条件、支給額、申請期限、育児休業の延長条件などは、個々の勤務状況や雇用保険の加入状況によって異なる場合があります。
特に育児休業の延長を希望する場合や、育休中に就業する場合、退職・転職を予定している場合は、早めに勤務先またはハローワークへ確認してください。
制度の最新情報については、厚生労働省・ハローワークなどの公式情報をご確認ください。

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