子どもが生まれた後、「育児のために勤務時間を短くしたいけれど、給料が減ってしまうのが心配」という方も多いのではないでしょうか。
そんなときに知っておきたい制度が、育児時短就業給付金です。
育児時短就業給付金は、2025年4月から始まった雇用保険の制度で、2歳未満の子どもを養育するために所定労働時間を短縮して働く場合、一定の条件を満たすと賃金の一部が給付される制度です。
時短勤務によって給料が減った場合、その一部を給付金で補うことで、育児と仕事を両立しやすくすることを目的としています。
この記事では、
- 育児時短就業給付金とは?
- いくらもらえる?
- どんな人が対象?
- いつまでもらえる?
- パートでも対象?
- 転職した場合は?
- 申請方法
- 必要な書類
について、2026年最新の情報を分かりやすく解説します。
育児時短就業給付金とは?
育児時短就業給付金とは、2歳未満の子どもを養育するために、所定労働時間を短縮して働く「育児時短就業」をした場合に支給される雇用保険の給付金です。
2025年4月1日から始まった新しい制度で、育児休業から復帰した後に時短勤務をする人などを経済的に支援することを目的としています。
例えば、
フルタイム勤務
↓
子どもが生まれる
↓
育児休業
↓
職場復帰
↓
1日8時間勤務から6時間勤務へ
↓
給料が減少
↓
育児時短就業給付金の対象になる可能性
というケースです。
育児時短就業給付金はいくらもらえる?
育児時短就業給付金は、基本的に時短勤務をする前と比べて減少した賃金を補うための給付です。
支給対象月に支払われた賃金が、育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合、原則として、
支給対象月に支払われた賃金額 × 10%
が支給額となります。
ただし、時短勤務後の賃金が90%を超えている場合は、支給率が調整されます。
また、賃金と給付金の合計額が一定の基準を超えないように調整されるため、必ず10%がそのまま支給されるわけではありません。
月給30万円だった場合の支給例
厚生労働省では、育児時短就業開始時賃金月額が30万円の場合の例を示しています。
時短勤務後の賃金が20万円の場合
30万円の90%は27万円です。
時短勤務後の賃金20万円は27万円以下なので、
20万円 × 10% = 2万円
となり、育児時短就業給付金は2万円です。
つまり、
時短勤務後の賃金 20万円
育児時短就業給付 2万円
----------------------
合計 22万円
となります。
時短勤務後の賃金が28万円の場合
時短勤務開始前の賃金月額が30万円の場合、90%は27万円です。
28万円は90%を超えているため、給付率が調整されます。
厚生労働省の例では、この場合の支給率は6.43%となり、支給額は約18,000円です。
このように、時短勤務後の給料が多いほど、給付率は調整される仕組みになっています。
育児時短就業給付金の対象者
育児時短就業給付金を受け取るには、いくつかの条件があります。
主なポイントは、
- 2歳未満の子を養育している
- 育児のために所定労働時間を短縮して働いている
- 雇用保険の加入条件を満たしている
- 支給対象月の条件を満たしている
などです。
2歳未満の子どもが対象
育児時短就業給付金は、2歳未満の子どもを養育するための時短勤務が対象です。
支給は、原則として育児時短就業を開始した月から始まり、一定の条件を満たす場合は、子どもが2歳になるまでの期間が対象となります。
ただし、2歳の誕生日を迎える月まで無条件で支給されるわけではありません。
退職した場合や、別の育児休業を開始した場合など、支給が終了するケースがあります。
フルタイムからパートに変えても対象になる?
「育児のためにフルタイムからパートに変更した場合も対象になるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
一定の条件を満たせば対象になります。
厚生労働省によると、子どもを養育するために短時間正社員やパートタイム労働者などへ転換し、転換前と比べて1週間当たりの所定労働時間が短縮されている場合は、育児時短就業として扱われます。
ただし、雇用保険の加入状況や過去の被保険者期間など、別の条件も確認する必要があります。
転職してパートになった場合は?
出産をきっかけに以前の仕事を退職し、その後パートとして再就職するケースもあります。
この場合も、条件を満たせば育児時短就業給付金の対象になる可能性があります。
ただし、育児時短就業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上必要となるなど、受給資格の条件があります。
そのため、
「パートになったから自動的に給付される」
という制度ではありません。
転職や再就職をした場合は、過去の雇用保険の加入状況なども含めて確認しましょう。
早退・欠勤で給料が減った場合は対象?
ここは注意が必要です。
単に、
- 子どもの送迎で早退した
- 子どもの体調不良で欠勤した
- 残業をしなくなった
などによって実際の労働時間が短くなり、給料が減っただけでは、原則として育児時短就業給付金の対象にはなりません。
所定労働時間そのものを短縮していることが必要です。
例えば、
会社との契約上は週40時間勤務のまま、子どもの送迎のため毎日1時間早く帰っている
というだけでは、育児時短就業とは扱われません。
シフト制でも対象になる?
シフト制で働いている場合も、条件を満たせば対象となる可能性があります。
シフト制では、労働契約の段階で具体的な勤務日・勤務時間が決まっていない場合があります。
この場合、育児時短就業の開始前後の実際の労働時間などをもとに、1週間当たりの平均労働時間を算定し、短縮が確認できれば育児時短就業として扱われます。
育児時短就業給付金はいつまでもらえる?
育児時短就業給付金は、育児時短就業を開始した月から、育児時短就業を終了した月まで、各月ごとに支給の判定が行われます。
ただし、次のような場合には支給が終了します。
- 子どもが2歳になった
- 退職などにより雇用保険の被保険者でなくなった
- 産前産後休業を開始した
- 育児休業を開始した
- 介護休業を開始した
- 別の子どもの育児時短就業を開始した
- 子どもの死亡などにより養育しなくなった
などです。
育児休業から復帰して時短勤務する場合
育児時短就業給付金を利用するケースとして特に多いのが、
育児休業 → 職場復帰 → 時短勤務
というパターンです。
例えば、
出産
↓
育児休業
↓
子どもが1歳
↓
職場復帰
↓
時短勤務
↓
給料が減少
↓
育児時短就業給付金
という流れです。
育児休業から引き続き同じ子について育児時短就業を開始した場合は、育児休業給付に関する賃金日額をもとに育児時短就業開始時賃金月額を算定する仕組みがあります。
育児時短就業給付金の申請方法
申請は、原則として勤務先の事業主を経由して行います。
ただし、本人が希望する場合は、自分で申請することも可能です。
基本的な流れ
会社に時短勤務を申し出る
↓
育児時短就業を開始
↓
会社が必要書類を準備
↓
ハローワークへ申請
↓
審査
↓
給付金の支給
申請先はどこ?
申請先は、事業所の所在地を管轄するハローワークです。
初回の支給申請は、育児時短就業を開始した日の属する月の初日から起算して4か月以内に行う必要があります。
会社の担当者が手続きをしてくれるケースもありますので、時短勤務を始める前に、
「育児時短就業給付金の対象になるか確認したい」
と勤務先の人事・総務担当者に相談しておくと安心です。
申請に必要な書類
初回申請では、主に次のような書類が必要になります。
- 育児時短就業給付受給資格確認票
- 育児時短就業給付金支給申請書
- 賃金に関する証明書
- 賃金台帳
- 出勤簿
- タイムカード
- 労働条件通知書
- 育児短時間勤務申出書
- 育児短時間勤務取扱通知書
- 母子健康手帳など
などです。
ただし、育児休業から引き続き時短勤務を開始した場合など、状況によって提出が不要になる書類もあります。
実際に申請するときは、勤務先または管轄のハローワークに確認しましょう。
育児時短就業給付金はいつ振り込まれる?
育児休業等給付については、厚生労働省によると、支給決定通知書に記載された支給決定日から概ね1週間程度で指定口座に振り込まれます。
ただし、実際の振込日は審査状況などによって異なります。
育児時短就業給付金がもらえないケース
次のような場合には、支給されない可能性があります。
時短勤務をしていない
育児のために所定労働時間を短縮していることが必要です。
単純な早退・欠勤による賃金減少では対象になりません。
時短勤務後の賃金が以前と同じ
支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の100%以上の場合、給付金は支給されません。
支給額が最低限度額以下
計算された給付額が一定の最低限度額以下の場合も支給されません。
なお、支給限度額・最低限度額は毎年8月1日に改定されます。
育児時短就業給付金と育児休業給付金の違い
名前が似ていますが、対象となるタイミングが違います。
| 制度 | 主な対象 |
|---|---|
| 育児休業給付金 | 育児休業を取得して仕事を休む場合 |
| 出生後休業支援給付金 | 一定条件で出生直後に育休を取得する場合の上乗せ |
| 育児時短就業給付金 | 育児のために時短勤務をして働く場合 |
つまり、
「休むとき」→育児休業給付金
「時短で働くとき」→育児時短就業給付金
と覚えると分かりやすいでしょう。
育児時短就業給付金を利用するときのポイント
育児時短就業給付金を利用する場合は、次の3点を確認しておきましょう。
① 時短勤務の開始日を確認する
給付金の対象期間は、育児時短就業を開始した月から始まります。
② 時短勤務前の賃金を確認する
給付額の計算には、育児時短就業開始時賃金月額が使われます。
③ 会社に早めに相談する
申請には会社が用意する書類もあります。
時短勤務を始めることが決まったら、
「育児時短就業給付金を利用したい」
と会社の人事・総務担当者に早めに伝えておくとスムーズです。
新潟県で出産・子育てをする方へ
育児時短就業給付金は国の雇用保険制度なので、新潟県だけでなく全国で利用できる制度です。
一方、新潟県や各市町村では、妊娠・出産・子育てに関する独自の支援制度も用意されています。
例えば、
- 妊婦健診の助成
- 妊婦支援給付
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 出生後休業支援給付金
- 産後ケア
- 児童手当
- 子どもの医療費助成
などがあります。
育児時短就業給付金だけでなく、国・新潟県・市町村それぞれの支援制度を確認しておくことが大切です。
よくある質問
育児時短就業給付金はいつから始まった?
A.
2025年4月1日から始まった制度です。
いくらもらえる?
A.
時短勤務後の賃金が育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合、原則として**支給対象月の賃金額の10%**です。
90%を超える場合は支給率が調整されます。
パートでももらえる?
A.
一定の条件を満たせば対象になります。フルタイムからパートタイムへ変更し、1週間当たりの所定労働時間が短縮されている場合も育児時短就業として扱われます。
子どもが何歳まで対象?
A.
原則として2歳未満の子どもを養育するための時短勤務が対象です。
会社に申請すればいい?
A.
原則として事業主を経由してハローワークへ申請します。本人が希望する場合は本人による申請も可能です。
送迎のために早退して給料が減った場合は?
A.
原則として対象になりません。
育児時短就業給付金では、所定労働時間そのものを短縮していることが必要です。
まとめ
育児時短就業給付金は、2歳未満の子どもを養育するために時短勤務をする人の収入減少を支援する制度です。
2025年4月から始まった新しい制度で、一定の条件を満たせば、時短勤務後の賃金に対して給付金を受け取ることができます。
時短勤務後の賃金が育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合、原則として**支給対象月に支払われた賃金の10%**が給付されます。
ただし、時短勤務後の賃金が90%を超える場合は支給率が調整され、賃金と給付金の合計額が一定の範囲を超えないように計算されます。
育児休業から職場復帰した後に、
「子どものために勤務時間を短くしたい」
と考えている方は、利用できる可能性がある制度です。
時短勤務を始める前に、勤務先の人事・総務担当者に育児時短就業給付金の対象になるかを確認しておきましょう。
また、新潟県や各市町村でも妊娠・出産・子育てに関するさまざまな支援があります。
出産前から利用できる制度を確認して、もらえる給付金や助成を取りこぼさないようにしましょう。

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